Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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…悪人を、死に誘惑した。
(相手の優しいぬくもりを持った手が両頬に添えられて、澄んだブルーの瞳とまっすぐに目が合う。
相手は悪魔のしたことを軽蔑することもなく、むしろ天使にできないことをやってくれているとまで言った。
その優しさに改めて触れて、天使に顔向けできないと卑屈になっていた気持ちがゆるむのを感じて、懺悔するように自分のしたことを相手に話していた。
天使たちが守っている人々の命を、甘い誘惑で自ら断つように仕向けた、仕事をしながら相手のことが頭をよぎって苦しかったのだと。またそんな感情を抱く自分が悪魔らしくないことにもショックを受けたのだと。
まるで子どものように話しながら、結局また涙をこぼす。
酒には強い方だが、泥酔すると泣き上戸になるのだろうか。酔いが覚めて自分の言動を聞かされれば、ショックで卒倒するかもしれない。)
……レイ、お前のそばにいたい。
俺は絶対にお前を嫌いになんかならない、
__俺のことも、嫌わないでくれ、
(帰らないと言いながら優しく髪を撫でてくれる相手。
相手のそばにいたい、嫌いにならないで欲しいと、何度もくり返した言葉をまた言いながら隣に座る相手に縋りつき、背中に腕を回して相手を抱きしめた。
本当は相手とワインを楽しんでガトーショコラを食べるすてきな夜になるはずだったのに、度数ばかりが高い酒を流し込んで酔っ払って、泣きながら天使の愛をもとめているのだから情けないものだった。)
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