Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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「 ___おい、貴様ッ、やっと見つけたぞ! 」
( 日も暮れ、月夜が辺りを照らし始めてどれぐらい時間が経っただろうか。夜が深くなるにつれて、裏通りには酔っぱらいや輩が増え始め、その喧騒も増していく一方。
悪魔が1人ヤケ酒をしている店へ、逃げ込むようにしながら駆け入ってきた男が1人。場違いなカジュアルスーツに身を包んだ男は、息を切らしながらやって来て、そして、カウンターの隅に座る相手を見つければ、前髪の隙間から覗かせた瞳で鋭く睨みながら相手の傍まで大股で歩み寄る。
途中で輩に絡まれでもしたのか、ブロンドの髪は乱れ、シャツもヨレ放題であったし、何やら疲れきった様子であった。)
「 ……まさか、また顔を合わせる羽目になるとはな。
我ながら最悪だ。」
( それでも、乱れた髪をかきあげ腕を組み、座っている相手を見下ろせば、グラス片手にやさぐれている様子に嫌悪感を露わにした。
自分からやってきたくせに、発言と今の状況には矛盾が生じているが、自分だって好きで相手の顔を見に来たわけじゃない。それどころか、邪険にしている相手を探すなんて面倒くさいことこの上なかった。それでもここまでやってきた理由については、勿論、相手も大体は察しがつくだろう。 )
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