Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(天使の傷ついた声と謝罪が聞こえて、やがて部屋は静かになる。
謝らせたいわけじゃなかった、幻滅されて嫌われるのを避けるためだけに天使を遠ざけてしまった。それも深く傷つけて。
そんな自分の醜さにもまた嫌気がさして、どんどん縮こまってしまいたくなる。
本当は、地獄で非道な仕事をしていた自分を許して欲しくて、それでも好きだと言って欲しかった。
でもそう言ってくれる確証はない。君は最低だ、なんてもし言われでもしたら立ち直れない自信があって言い出せなかった。)
(夜になり、ようやく布団から起き出す。
モヤモヤした嫌な気持ちを忘れてしまいたい。テーブルの上には相手が持ってきたワインとケーキが置かれていたが、それでひとり晩酌を楽しむ気には到底なれなくて、ノロノロと服を着替えてから家を出た。
向かったのは、相手となら絶対に足を踏み入れない裏通り。
オシャレなレストランもなく人通りも少ない、道端で喧嘩をしてる人がいたり治安がいいとは言えない通りにある一軒の寂れたパブへ。
薄暗く雑然とした店内には当然おしゃれをしたカップルなんかはいない。
カウンターのすみに座り、ウイスキーをロックで頼むとそれを一気にあおった。)
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