Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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( 気が向いたら、と言われれば、それでも付き合ってくれるのかと嬉しそうな笑顔を向けて頷いた。何も毎日話に付き合ってくれなんて毛頭思ってはいなかったし、この手とこの提案を振り解かれない程度には警戒されていないらしい。
天使と悪魔が親しくすることは、彼が問い返してきたように決して行って良い事ではない。それを分かっていても尚こんな事を言うなんて…彼の言うとおり、自分は好奇心に駆られて堕天でもする気なのだろうか。と冷静な自分が脳裏で呟いている。
それでもやはり、名を呼ばれるのは嬉しいようで、背を向ける相手を見送るが、途中伝票を差し込まれたことに「 あ 」と声を洩らす。だが、その時にはもう相手が店をでる直前で、困ったように笑ってはため息をついた。)
_あの…急いでいるので、返して貰えませんか?
(その後も暑い日は続き。
自分からあんな事を言っておいて、悪魔と顔を合わせる日は無かった。といっても、仕事がたて続き、地上の派遣でいえばまだまだ素人同然故、あまり上手くもいっていなく、大好きな街の散策もろくに出来ず自宅に籠り気味になっていたのだ。
やっと仕事がひと段落つき、ワインで晩酌でもしようかと奮発したらしい紙袋を抱え、夕焼けが空に広がる中…久しぶりに公園の前を歩いていた。
_が、やはり最近はツイていないらしい。昼間から飲んだくれていたのであろう酔っ払い2人に絡まれれば、その2人は紙袋を奪って此方を囃し立ててくる。正直いって、こんな日に笑顔を作るのは難しいが、棘の無い優しい口調で2人の相手をしているのだった。 )
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