Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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…………。
あ、いえ。
そんなつもりじゃ….。
( 相手は尚も腕を組んだまま、不機嫌そうに言葉を返され、ふと、それとなしに差し出した自分の手に視線を落とす。
行き場の無くなったその手を、少しばかり気まずそうに背へと隠すと、眉尻の下がった微笑みで上記を述べる。
相手から言われ、その時に自分は警戒されて然るべき存在だと思い出した。自分も勿論、地上に悪魔がいるなんて聞いていないし、ましてやこんなに近くにいるなんて思いもしなかった。
それ故に舞い上がってしまったのも事実で、握られることのなかった右手は寂しかった。
自分がどれだけ仲良くしたいと思っても、悪魔にとって、天使という存在はこれほど嫌悪対象であるということを思い知らされてしまった。)
……その、すみません。
( 自分ばかりがはしゃいでいたことが申し訳なく、どうしたものかと悩んだ挙句に小さく謝罪の言葉を口にした。
しかし、どういう訳か、言葉とは裏腹にそのまま相手の隣に腰を下ろしたのであった。 )
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