Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(相手が恥ずかしがる姿を見るのも、ふざけ合って無邪気に笑っている姿を見るのも楽しいものだった。いつも周囲の人に見せている顔よりも幼くなるように思えるそれが、自分だけに見せてくれる表情な気がして嬉しくもある。
相手の赤く染まる頬をつまんで愉快そうに笑う。周りから見れば、好きな子をいじめる少年のように見えることだろう。)
あいつのことをアルなんて呼ぶなよ。キザ野郎で十分だろ。
だからお前は危機感がないって言ってるんだ。
……連絡するのか。
(相手があの男のことを指して“アル”という愛称を口にするのは気に食わない。その名前で呼ばれるのは自分だけのはずだ。
あの男の呼び方なんてキザ野郎で十分だなんて不服そうに言いながら名刺を見る。
近くにある大きな病院の医師で、あの顔にあの雰囲気。ああいうのが地上で言う、いわゆる“ハイスペックな”男だということは分かっていた。
女にも一切困らないであろう彼が相手に目を付けたのだと思うと、自然と眉間にシワが寄っていた。ついでに言うなら相手は自分の魅力をわかっていないし、相変わらず危機感がないのだ。
男に連絡をするな、なんて言う権利は自分にはないし、そんなに独占欲丸出しで相手を縛り付けるような友人ではありたくなくて、不服そうな表情はそのままに連絡する気があるのかだけ尋ねた。)
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