Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(遠慮をしないということに関しては得意分野だと得意げに頷く。
テーブルの上に揃えたシナモンやら砂糖やらの材料を適当に鍋に入れて赤ワインと混ぜてしまうと、鍋を持って立ち上がりキッチンに向かった。
力を使うと加減を間違えて中身を全部溢してしまう心配があるため、ここはきちんと手作業でやるらしい。
鍋を火にかけると、相手の隣に戻ってきて毛布にくるまりつつ「お前も入るか?」なんて言って毛布の端っこを持ち上げて見せた。)
…気にするな、別に大したことじゃない。
会場の奴らに目を瞑ってもらえて助かった、片っ端から解かれてたら今日の苦労がパーだったからな。
(隣で申し訳なさそうに、まっすぐこちらを見つめながら謝罪してくる相手に気にするなと肩を竦める。邪魔をしたといっても彼女に関してのみだし、むしろ参加者に植え付けた欲やら嫉妬やらを全て天使の力で解かれなかったのだからむしろ助かった。相手もかなり譲歩してくれたのだろう。
誘惑されてこちらに焦がれるような熱っぽい視線を向けてくる人間は好きだが、あくまでそれを利用しているだけでそこに特別な感情があるわけではないし一時的なものに過ぎない。彼女のことも大した問題ではなかった。
それに思いがけず、相手が自分に独占欲を抱いていることを知れたのだから、相手にこそ言わないが満足だった。)
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