Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(今日の相手は素直に心の内を打ち明けてくれて、それが嬉しくもあった。相手との距離が縮まり、ブルーの瞳が優しく弧を描いたのを見て安堵すると、伸ばされたその手が自分に触れるのを待った。
…と、背後から聞き慣れた声で名前を呼ばれて曖昧な表情を浮かべる。どうやら痺れを切らして追いかけてきたらしい。)
___悪い、レイチェル。急用ができたんだ。
今日はお暇するよ、付き合わせて悪かったな。
(今夜はパーティー会場にいる多くの人間に十分欲の種を植え付けることができた、それに関しては皆の羨望を集める美しい彼女のおかげと言える。
成果をあげる手助けをしてくれたことに感謝はしているが、天使を悲しませるわけにもいかないし、そもそもこういう関係はその場のみのものだ。人の少ないこの場所で早いところ誘惑を解いておいてやろう。
急用ができたので帰らないといけなくなったと謝りながら、パチンと指を鳴らした。音を聞いたアルフレッドも同時に誘惑から解放されたはずだった。)
___レイさん、実は僕もそろそろ帰らないといけなくて。
連絡先だけ教えてもらえませんか。必ずまた連絡します。
(後ろで様子をうかがっていたアルフレッドがこちらに歩み寄りながら相手に声をかけた。
帰る前に連絡先を教えてほしいと言う男の目に、異様なまでの熱は浮かんでいないし先ほどまでの熱烈なアプローチも落ち着いている。つまり誘惑の影響はもう解けている。
影響を受けるまでもなく元から本気だったのかと顔をしかめたものの、今は口出しをするわけにもいかなかった。)
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