Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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( 相手へ背を向けようとした時、腕を捕まれ、振り返りざまにその赤い瞳に捉えられた。ピリッと、一瞬電流が走ったような頭痛に顔をしかめれば、動かぬ身体に何が起こったのか察しがついた。
低い声で、一言、問いかけてくる相手の瞳に、僅かに期待を込めて、恐る恐る言葉を返した。)
……キミは、僕が彼と親しいのは、嫌かい?
( これまでも度々、相手は、自分が他者との距離が近いときに叱ってくることがあった。だが、それは大凡、自分の危機感の問題だとか、お人好し過ぎると言った具合で、今回も相手の仕事への理解不足というか…、とにかく、彼は自分と同じような要因で怒ることはあまりないと思っていた。正直、自分自身もこうやって感情的になるとは思っていなかった訳で。
だから、この腕を引き止めて赤い瞳で訴えかける彼に、こうなれば直接聞きたいと思ったのだ。
_天使だから故なのか、白を好み、黒や赤はあまり身につけていなかった。それでも、彼のその赤い瞳がいつも新鮮で、好きだった。だからこそ、赤く派手なドレスを身にまとい、妖艶で美しい彼女が相手に寄り添っているのを見て、お似合いだと感じ、何故だか無性に悔しかったのだ。
…再度、手にしていた赤いスカーフを握りしめて、静かに、返事を待った。 )
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