Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(この状況では女性は女性に、男性は男性に嫉妬するため、2人でいれば周囲に歪んだ感情を芽生えさせるのは容易いことだった。
彼女の長い髪を撫でてから一房手に取り軽く口づける。この欲の渦が会場全体に広がれば良いとほくそ笑みながら、周囲の人間の反応をうかがうため顔を上げるとよく知った深いブルーの瞳と目が合った。
なぜ天使がここにいるのかという驚きに目を丸くしピタリと動きを止めたものの、すぐに隣で親しげに相手の肩に手を置く男に気づき 誰だそいつは、とでも言いたげに眉をひそめる。その間も隣の彼女の腰を抱いたままだ。
同時に、相手の隣に立つ男にもかなり誘惑の影響が出ていることに気づき頭を抱えたくなった。天使にかなり好意を寄せているようだ。)
「 …アル、どうかしたの? 」
「 どうかしましたか、レイさん。 」
(その2人がそれぞれの相手に声をかけたのはほぼ同時だった。
レイさんなんて親しげに呼ばせているのかとあからさまに嫌な顔をして、男の誘惑を解くため指を鳴らそうとした。
男が天使に好意を寄せたのはそもそも誘惑のせいではなさそうだが、この感情の昂りはどうにかしたほうがいい。テラスが少し肌寒いことを理由に、今にも天使の肩を抱き寄せそうだ。
…が、ここで指を鳴らせば他の人間たちの誘惑も解けてこれまでの苦労が水の泡になる。
「いや、なんでもない。」とレイチェルに視線を戻して微笑むと、男が持っていたワイングラスに密かに指先を向けてヒョイと動かした。
ワイングラスが傾いて、驚いた男がそれを持ち直そうとするが中身の赤ワインは男のジャケットにこぼれシミを作った後だった。)
(そういっていただけて嬉しいです!自分はやりたい放題で楽しんでるくせに天使にはバッチリ嫉妬する理不尽さですが……←)
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