Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(本当なら悪魔と長話などしたくないが話していた方が気が紛れるためかその場を後にする気はないようだった。渡された缶を受け取り、ベンチに座る相手を横目に見ながら立ったまま腕を組む。
釣り合うかどうかは先輩が一番分かっているというのは実際その通りで、相手が選ぶことに間違いはないと思っているし、だから上に報告を上げることも保留にした。
しかし悔しい気持ちは消えず、何であの悪魔なのかという気持ちばかりが浮かんでくるのだ。
相手の正論を聞きながら返す言葉がなく押し黙っていたもののプルタブを開けてコーヒーをグッと煽った。)
「 ……レイモンドさんと天界に戻る計画が、あの悪魔のせいでめちゃくちゃだ。
___お前は随分達観してるな。
嫌だと思うこととかないのか、俺もそんな風に気楽に生きたいもんだ。 」
(不満を口にすることもない、おおらかな相手の言葉を聞いて皮肉をぶつける。しかしそこには少しの羨望も込められていた。
悪魔にしては悪どさもなく、他人を貶めるような感じもない。自分やあの2人に振り回されても嫌がる様子も、天使への敵意もないのだから不思議なものだ。
自分が憎んできた悪魔の姿から外れたような相手に少し拍子抜けしている自分がいた。)
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