Devil 2021-11-21 21:57:27 |
通報 |
___痛かった。…もう少し、背中さすっててくれ。
(最後まで気に食わない奴だったがようやく嵐が去り静かになったとため息をつけば急に相手に抱きしめられて目を丸くした。
しかしそのまま相手に体を預けると、酷い苦痛だったのだと不服そうに口にした。でもそれは相手のせいではないし、相手のお陰であの痛みから解放されたのだ。
背中に優しく添えられた相手の手は暖かく、痛んでいた背中に心地よくてもうしばらくそうしていて欲しいと小さく頼んだ。
天使に力を使われたとはいえ、自分にも不甲斐ない部分はあった。相手を天界に連れ帰ると言われ、そうなる前にラグエルを追って相手のもとに行かなくてはと思っていたのだ。
しかし痛みに耐えかねて家から出られなくなってしまい、結果として相手を守るどころか相手の側にさえいることができなかった。相手がいなくなってしまうかもしれないという不安があったが、こうして側にいてくれることに静かにそう口にした。
相手はあの天使から、使った力の詳細を聞いていたのだろうかと思い、相手の肩に顎を乗せたまま尋ねる。相手のことを考えている時間が長いことを思い知らされたと話したら、相手は笑ってくれるだろうか。
相手がラグエルの前で自分のことが友人として好きだと話してくれたように、自分も同じように思っていることを伝えたかった。)
…お前が上に連れて行かれなくて、安心した。
___なぁ、あいつが俺にどういう力を使ったか聞いたか?
トピック検索 |