Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(彼を天界に連れ帰るだなんて許せるはずがない。何より彼は地上を気に入っている、相手がしようとしていることは彼の気持ちを蔑ろにした行為だ。
天使のことを考えもしない身勝手すぎる言動に声を荒げて反論しようとしたものの、一瞬背中に走る痛みがそれを邪魔した。
少しして痛みが引いた頃には忌々しい天使は颯爽と店を後にするところで、レイモンドのところに行くのかと考える。
が、また背中が痛み苛立った様子で舌打ちをすると立ち上がった。今はまだ耐えられる痛みだが、相当に厄介な力を使われたらしい。
天使のことを考えもせずに生活するなんて不可能だ、天界に連れて行かせるわけにもいかない。どうすればいい。
嫌な痛みを抱えたまま店を出ると、一旦家に戻ろうと寒空の下歩き始めるのだった。)
「 ___レイモンドさん!
お久しぶりです、先輩に会いたくて地上まで来てしまいました。
お元気そうでよかった。」
(あの忌々しい悪魔に“戒め“を与えて街に出ると、あとは一目散に愛おしい先輩の元へと向かう。
翠色の瞳に、ベンチに座り空を眺める愛おしい人の姿を捉えるとついさっき悪魔に見せていた冷酷な空気は1mmたりとも感じさせない柔らかな微笑みを浮かべて相手の名前を呼び、そばに駆け寄った。
あなたに会いたくて地上に来たのだと言って少し笑うと、変わらず美しくて優しい空気をまとう相手を見つめて上記を告げたのだった。)
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