Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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『 おいおい、それならせめて肉体消滅の方にしてくれよ。
浄化して消えちまったら、お前らをからかいに来れなくなるだろ。』
( 僅かに動揺の色をみせ大きな声を上げる同僚に、これまた満足そうにお腹を抱えて笑い出す。そして、浄化しろと話す言葉が聞こえれば、浄化して綺麗さっぱり無くなるよりも肉体が消滅した方がマシだと交渉し、帰りの時間について言及されれば、『はいはい』と頷きながら答える。
そのやりとりに俯いていた天使も顔を上げ、未だに頬を赤らめながらもなんだか楽しそうに笑っていた。3人が戯れている光景は、あたかも街の若者がじゃれ合っているようで、街ゆく数少ない通行人も特に気にせず通りすぎていく。)
なんだか楽しくて忘れていたよ。
今日は3人で街観光だ。
( そして、相手に肩を組まれたまま買い物へと促されれば、そうだったと言わんばかりに眉尻を下げながら微笑んだ。なんだかんだ同僚の同行も認めた相手にフフッと小さく笑うと、最後に「ゼパルさんも、行こうか」と歩き出した。
__その後は無事、2人の悪魔による悪事に手を焼きながらもお目当ての買い物を済ませたり、自分のオススメの店や街並みを堪能するように歩き回った。流石に日々街を散策しているだけあって、さほど長い時間では無かったが、十分に地上の楽しさを体験して貰えたのではないかと思う。悪魔2人に挟まれてそんなことをするのは一見不可解かもしれないが、自分にとっても楽しくて充実した日であったのは確かだ。
そして、今朝、はじめて3人が顔を合わせた場所へと戻ってきた頃には、もう日が落ち、建物の隙間から鮮やかな夕闇が映える頃だった。)
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