Devil 2021-11-21 21:57:27 |
通報 |
『へぇ、そういうもんか。
なら、あいつにはあんまり近付けない方がイイぜ、機嫌損ねるとめんどくさいのお前ならよく知ってるだろ。』
(適当な相槌をうちつつ仮に地上に派遣されたのが相手の言うような、天使の中でも特に悪魔を嫌悪するタイプの天使だとしたら同僚と馬が合わないのは確かだ。
当然歩み寄ろうとなんてするはずがないし、自分に対する嫌悪感を感じ取り合わないと思えば口もききたがらないだろう。友好的な奴ではないし、機嫌を損ねると厄介なのは相手の方がよく知っていることだろうが。
悪魔とも友達になれそうだなんて相手は天使の中でもずば抜けてお人好しだと、柔らかい笑顔で人間に声をかける様子を見ながら思う。そういうところが魅力でもあり、ある意味では危なっかしくも思えて同僚は天使のそばにいるのだろうか。
相手はいい奴に間違いないし、同僚も認めこそしないが相手を大切に思っていることは確か。悪魔らしからぬ毒も鋭さもない目で相手を見るものだからすぐに分かる。
ふとそんな同僚をからかいたくなり、いくらかのスナックを道ゆく人に配ったらしい相手の腰に腕を回して引き寄せた。そろそろ同僚が戻ってくるころだろう。
心底楽しそうに笑いながら相手にズイッと顔を近づけて耳元で囁く。)
『___なぁ、レイモンド。ちょっとあいつをからかってやろう。
いつもはスカしてるけど、俺がお前に手を出したと思わせればきっと喚き散らして怒るぜ。』
トピック検索 |