Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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(まだ少し湿ってはいるものの、タオルで拭いたことで水気が相手の体温を奪うことはなくなったはずだ。ストーブは相変わらず本来の威力を上回る火力で稼働し続けている。
相手はずっと気丈に振る舞っていたが、怖かったというのが本音なのだろう。その言葉が相手の口から聞けて少し安心している自分もいた。
赤みを帯びる相手の目元を指先で撫でてから、微かに震える相手の体を引き寄せる。先程よりもしっかりと相手の背中に腕を回し、相手の後頭部を軽く撫でた。)
___もう大丈夫だ、俺がいる。
(ふと、自分が口にした言葉は昨日相手が自分にかけてくれた言葉と同じだと気づいて、昨日の後悔が湧き上がる。相手は自分を憐んでなどいなかった、ただ力になりたいと元気づけようとしてくれていただけだったと、今なら理解できた。
悪人を前にしても、彼らを救えなかったと心を痛めるのが天使だと知っているが、その必要はないとも伝えたかった。)
…お前が思うほど人間はいい奴ばかりじゃないが、あそこまでこっち側に堕ちきった奴も珍しい。
すでに悪魔に気に入られてたんだろ、お前たちの声はとうの昔に聞こえなくなってた。
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