親愛なる家族たちへ。（　日常 ／ 微ファンタジー ／ 人数制限あり　）

　＞20　メイナードさん

メイナードさん！　やっぱり外にいたのね。雨が降り出したから、今お手伝いに行こうと思っていたのよ。
（　ぱたぱたと階段を駆け降り、軽く息を弾ませながら玄関へと向かう。今の今まで掃除をしていたために、手にはバケツと雑巾を持ったままだ。私を呼んだ声の主は、絵描きのメイナード・ハンティントンさん。ここに来たばかりの頃は塞ぎ込んでいたようだったけれど、最近は一人の時間には外に絵を描きに出ているみたいで、雨に気付いた時に真っ先に浮かんだのもメイナードさんのことだった。手伝いに行くのが遅かった、と扉の脇の大荷物を見て軽く眉を下げる。しかし、それより目を引く色鮮やかなシャツに気がつくと、顎に手を添え、ゆるく首を傾げる　）
あら……？　どうしたの、そのシャツ……。