医師 2021-10-10 22:42:17 |
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(相手の体の傷に消毒液を染みこませたガーゼを当てるが、この刺激にも相手は反応らしい反応を返すことはなく、染みる消毒液を嫌がる子供たちの様にわんわんと騒がれるよりましだがこれはこれで相手が息をしているのか心配になってしまうほどで。相手の反応がないならすぐに終わらせてしまおうと相手の傷にガーゼを当てていけば、直接相手の体に消毒液をかけてしまった方がいいのではないかと思ってしまうほど時間が経ってしまって。気付けばベッドの上の相手は消毒液の刺激に負けずに睡魔に襲われているようで、相手が完全に寝てしまわないうちに今できる治療を終えてしまわねばと焦り次の治療に取り掛かって。次にやるのは傷の保護。相手の体の外傷に薬草由来の軟膏を塗り、その上に傷の治癒を促すケアムの葉を被せ薄布で保護をする。そうして今できる相手の治療がようやく終えれば「ふぅ…。」と一息ついて。傍らの椅子に腰かけ、改めて相手を眺めればどうやら睡魔に抗えずに眠りについていることに気付き。その様子はまるで人形のようで、顔の白さからは生気がまるで感じられない。かろうじて聞こえる掠れるような呼吸音が相手が生きていることの証明であり唯一の安心材料で、今すぐにでもどこかに飛んでいきそうなほどの儚さに思わずその頬を撫でれば、「まだまだこれからだ。」とこれからぶつかるであろう困難に気を引き締めて。気付けば相手は衣服を身にまとっていない状態で、これから衣服を着せるために体を休めている相手を起こすのはなんだか忍びなく毛布を相手の体に被せては、起きた時のためになにか腹に入れるものの調理に取り掛かり。)
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