医師 2021-10-10 22:42:17 |
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(毛布に包んでいる間も、背負子に固定している間も、エルフはこれといった反応を示さなかった。もはや相手には反応する気力さえないのか、それともそういう扱いに慣れてしまったのか。どちらにせよ相手がそうならざるを得ないほどの非道な扱いを受けていたということが理解でき、人命軽視も甚だしい仕打ちに怒りが湧き立つと同時に酷く心を痛めながら歩みを進めて。)
(しばらく街道を歩いていると森に差し掛かる。この森を越えた先に診療所のあるフィオネ村があり、もう少しのところだが背中に背負うエルフが軽いとはいえ流石に歩き疲れたらしく、森の中を歩いているとちょうどよく木漏れ日が差す開けた空間に出たためそこで休息を取ることにして。いくら反応がないとはいえ、相手を背負子に固定したままもどうかと思い、背負子を木に立てかけ、固定具と毛布を外して相手の体を自由にして。それと向かい合うように己も座り一息つく。古来からエルフは森の奥に住むと言われており、木漏れ日に照らされ、優しい風に髪をたなびかせる相手は少しだけ様に見えた。森の空気が良かったのか、風に反応するようにふと相手が目を開けるがその瞳の様子が先ほど診察した時と違うことに気づき、不思議に思いながらもう一度診察しようと近づき。先ほど見た時は濁った赤色だったが、今は陽に照らされ緑色をしている。もっとよく見るためにと己の発光魔法を使うと今度は赤色をしている。どうやら自然の光と人の手による光、照らされる光によって瞳の色が変わる特異体質らしく、これもまた暴力を受けてしまった要因なのかと思って。)
(そういえば、このエルフの名前を自分はまだ知らない。と言っても反応の返ってこない相手からでは聞くことなどできないだろう。であれば己が暫定的につけるしかない。なにかいい名前はないか。そうやって考えていると先程の色が変わった瞳を思い出し。赤から緑に変わる様子をはまるで宝石のアレキサンドライトのよう。ならば、今は濁り切った瞳かもしれないけど、いつかはその瞳に宝石のような光が再び灯るよう「これから君の名前は『エルミア』だ。」と、『星の宝石』の意味が込められた名前をつけて。相手に名前をつけたところで一度目を閉じて決意のこもった表情をすれば相手の枝のような手を取り「エルミア。俺は絶対に君を治してみせる。」と、相手と医師としての誇りを持つ自分に誓いを立てるように、改めてそう宣言して。)
(/了解しました。解答ありがとうございます。
ロルには問題ありません!素敵な表現ばかりで情景が確と見えてくるようです。
こちらこそ、こちらも至らぬ点が多くあるとは思いますがこれからよろしくお願いします。)
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