主 2021-08-25 17:59:52 |
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〉有栖川
「……ばれるか。目だけで判断できるんだな。」
(相手の言葉に少し、目をそらして答える。)
「そうだな。大きな悩みだ。」
(今でも目を閉じれば鮮明に思い出せる。恐怖、憤怒、憎悪、泣き叫ぶ声、子供の、友人の、彼女の、妻の、夫の仇と無謀にも立ち向かう人達、命乞いをする声、忘れられない。忘れることなんてできない。)
「……ふぅ。」
(少しだけ、溜め息をついて、両手を開いたり、閉じたりしてみる。改めて、自分は加害者であると感じ、自嘲する。一体、俺は何を偉そうに感傷に浸っているというのか。自分は未だに半端者であるのだと再確認して)
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