甘い毒に溺れさせて 　〆　

あ、世永。いや、そんなことないけど…ちょっと色々あったせいであんま集中出来なくて （いつもの様に楽しもうとかいう気分にはなれず今日は早めに帰ってしまおうかとかんがえた所で誰かが近付いてきた気配がして顔を上げる。そこには同じ学年の彼がいて、隣に並んで座る形になる。気さくでしっかりしていてこのサークルの中でも一目おかれている彼なら彼女も別れを切り出さなかったのではと変な方向に行きそうだった思考を何とか留める。1人で端にいる自分を気遣ってくれたのだろう、相手の問いに否定を返しつつ【彼女に振られた】と語るのも躊躇われて曖昧に濁した言い方で理由を述べ。「水さしたならこめんな」と告げるがその声色はいつもより力無くて）