セイチャットファンさん 2021-08-12 18:09:13 |
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>蛇毘
……物を上手に隠すコツ、知ってますか?
本当に隠したいものは、見えないところに隠すんじゃなくて……
(じじっ。
泥の手が天焔玉を掴み、ぽいと放りなげる中、そのように天焔玉は続けた。
それは探偵が事件の答え合わせをするのに近い。
……天焔玉の力が大まかに出揃ったので、ここで一度おさらいといこう。
天焔玉は炎を手ずから掴み、まるでそれが形あるものかというかのように振る舞うことができた。
砲台の中を満たした炎、最初に放り投げた円環がそれだ。
天焔玉はそうして形を成した炎を、何時でも元の炎へと戻すことができた。
砲台から射出された際も、たった今も。 この力によって天焔玉は瞬間的な出力を得た。
それは、天焔玉の曝露を受けた炎全てが対象となる。
…………じじじっ、ぱんっ!
その音は、そうして大半の土を動かそうとする者の背後から聞こえる!
そうだ、最初に放り投げた……蛇毘によって『受け止められて』地にあえなく落ちた3つの円環。
それは、天焔玉の手によって為されたものだ。
不出来な芸だ、だがそれが……本当に。
本当にただ地に横たえて、眠ったままにいるものか!
「視てないところに隠すんですよっ! 」
それは最初からずっと、機を伺っていたのだった。
タネ明かしはたった今行ったからばかり、再度説明するまでもないだろう!
芸の八番、裏演目……『地轍焔』!
バーニア噴射によって、ぎゅるるっ! 地に轍の跡を残して滑走する!
天に昇る焔を捕まえようと、地から身を起こす大蛇。
その背を奔る灼熱の円環、どちらが辿り着くのが果たして速いか……それは明白だろう! )
(/アワワワ……ま、任せられてしまった……)
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