名無しさん 2021-07-27 22:07:30 |
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獅童 旭
わかりました!ありがとうございます!( 声をかけろ、と言うと彼はニッと笑みを浮かべる。ああ、それだけでこんなにも幸せになれるのだから自分は三ツ谷が大好きなのだろう。ぎゅっと胸が締め付けられるような感覚に肩を上げながら、大きく頭を振るように一礼して持ち場に走り出す。席に着いたときには動悸、息切れが尋常じゃなかったが、それを見て友人達はいつも通り、なんて言う。暫く作業を続けていればどうも変なところを縫い合わせたらしく、靴下が歪な形になってしまう。元々器用な方でもないし、三ツ谷目当てで入った部活、上手くできるわけもなく。変な方向に曲がる靴下を見ながら机に頬杖をついてぼそっと )せめて、三ツ谷さんに褒められるくらいには上手くなりたいなあ。
場地 圭介
ふーん。( 彼女の歯切れの悪い回答になにかを察してか深掘りはしない。視線を外したのがその証拠だろう、言いたくないことを聞きたくもない。彼女を頭から見下ろすように見つめていれば、ひょこっと出てきた生き物に思わず目を見開く。彼女が抱き上げたそれに目をパチクリさせて、緩んでいく頬に気づかず一歩、また一歩と近づき。恐る恐る、といった様子で手を伸ばしてその毛むくじゃらに優しく触れる。今の今まで人を容赦なく殴っていた拳とは思えないほど優しく、丁寧に。耳に流れ込んでくる彼女の理由に一つ頷いて )そうか、こいつ一人だったのか。__で、結局飯は?
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