着ぐるみオニ 2021-06-29 23:17:13 |
通報 |
[ 鬼月 虎太郎 ]
(行きつけのバイク屋に愛車を持って行った帰り道。空には星が浮かび辺りは薄暗くなってきており。周囲から漂ってくる夕飯の良い香りに空腹を刺激されつつ、向かった場所は桃風家で。双子の片割れ…兄貴の方とまとめて借りていた漫画を返す約束をしておりインターホンを押すと中から母親が出てきて、)
ゆーた帰ってきてる?そっか……え、カレー!?食べる!オバさんのカレー美味いから好き~。
(漫画の入った紙袋を持ち上げてみせるも母親からの返答はNO。どうするか考えていた時、丁度良い時間なので一緒に夕飯を食べないかと母親から誘われて。彼女は血の繋がりもなく種族も違うのに、子供の頃から自分を可愛がってくれる。相手がいつも世話になってる人故に、男子の集団と対峙した時はピクリとも動かなかった表情がぱああっと輝き、無邪気に晩御飯を喜んでおり、)
[ 桃風 優太 ]
───えっ、うわ…
(まさか止められると思っていなかった為、突然体を後ろに引っ張られると驚いたように其方を見遣り。それからすぐに、目の前に広がる光景に微かに眉を寄せる。怖い…そう思うと同時に、厄介なオニに目をつけられたと思う。今はまだ表面上は穏やかでもいつ逆鱗に触れて、腕を折られる未来だって想像に難くない。見透かされてる以上、正直に白状したほうがまだ痛い目に合わないかもしれないと可能性に掛け、)
少しは聞こえてた…けどキミのことなんて知らないし第一興味ない。ツノのことも別に誰かに言いふらしたりとかしないから。…だからもういいだろ。
(自分なんか脅威にはなり得ないと証明するようにしっかりと相手の目を見て告げる。若干冷たい言い方をしてしまった自覚はあるものの、これで飽きてくれるのなら寧ろ願ったり叶ったりだ。不慣れなオニの体温から早く解放されたくて掴まれている方の手首を軽く振り、)
トピック検索 |