とうらぶらぶさん 2021-05-14 21:11:38 |
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…薬研、藤四郎。__…政府から刀解の指示は受けてませんし、私に全くその気がない事も伝えています。たった一つしかない命を奪う権利なんて、誰にもないので。…凄く怖い顔はされてましたけど。
( 普段よりも様々な面で視野が狭くなっているはずの彼から見ても分かるということはそれ程までにド素人感を出していたのか、或いは付喪神である彼らだからこそ分かる何かを感じてか。不安な要素を更に与えてしまっていない事だけは、その様子から見て取れるが、これから彼らと共に歩んでいくことを考えれば少しばかり複雑なところでもあり、出来れば後者であることをひっそりと願って。既に目視で確認出来ていたため、あっという間に目的地である手入れ部屋へと辿り着き。彼の言葉通りただの一度も手入れを行っていないのだろう、軋むような扉の音、掃除の行き届いていない室内に思うところはあるもののそれを言葉にする必要はなく相手に続いて入室し。相手の状態から本体にどれほどの傷みがあるのかまでは流石に見当もつかず、それでもある程度の覚悟はしていたのだが取り出された本体のいざ見てしまえば思わず息を呑み。少し遅れて自身も両膝をついて座り、そっと瞼を閉じて深呼吸を繰り返しながら政府と交わした言葉を思い返し。この本丸に対して前向きな言葉はただの一つもなく、己に対しても『どうせ直ぐに音を上げるだろう』といったもの。幸い彼らから刀解の指示は受けていないことが救いだが、仮に受けていようと己のやるべきことは変わらない。ゆっくりと瞼を開いた先に見えた相手を見据え、本丸へ訪れる前、いやと言うほど刀解を進めてくる政府の人間が居たことを思い出して己の中の醜く汚い感情が胸の奥で渦巻き一度目を伏せてしまうも、覚悟を決めたように表情を引き締めて改めて相手と向き合い。袖口から取り出した一枚の御札に想いを込めるよう両手を重ねればそのまま本体へと翳す前にと今の胸の内を話して )
…薬研、私は貴方と、貴方の大切な人達に生きていて欲しい。図々しいことを言うなら、貴方達に自由に生きていて欲しい。今の私に出来ることなんて一つしかないけど…信じてくれている人を裏切るようなことはしないから。…でも。もし、体に何か異常があったり、違和感を感じたら…その時は迷わず斬ってください。
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