〆　あまつさえ、闇に迷いて 。

…私の命を奪うことなんて、きっと今の貴方にも簡単に出来てしまうと思う。だから此処に長くいればそれだけリスクが高くなって、もしかしたら…貴方を含めたこの本丸の誰かに私は殺されてしまうかもしれない。
(　ここで彼が一つ頷いてくれればそれに越したことはないものの、そう簡単に事が進まないことは予め分かっていただけに変わらない姿勢で拒絶を表す様にも驚くような素振りは見せずしっかりと受け止めはしたが、他に何か良い案が浮かんでいるわけではない為これ以上どうすれば良いのだろうかと行き詰まっていた矢先、告げられていく数々の言葉の中に僅かながらに見え隠れしている強い意思を感じ。彼になら己の言葉が届くかもしれない、手を伸ばせば触れる事は叶わずとも届くところに彼が居るように思えて。相手の状態が良くないことを理解していながら長話してしまったせいか、へたり込むように座り込んでしまった彼に思わず伸ばしかけた手をぐっと押さえるよう反対側の手で強く握り締めれば僅かに顔を歪めて。手当てが出来ないからといってこのまま黙って見守っているなんてことは到底出来るはずもなく、ほんの少しでも彼に届いて欲しいという想いからぽつりぽつりと呟いて　)
だけど、このまま何もしなかったら私よりも先に貴方が亡くなってしまう。…大切な人達を置いて逝ってしまうの？