主 2021-05-12 12:35:05 |
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( トレイの上の狙いを定めにくい小粒のそれに爪楊枝を突き刺し、彼女の口元へと運ぶ作業を無心で繰り返す。彼女は抵抗こそしないものの、自分で手を動かすつもりもないようで、さながら雛鳥に餌を与える親鳥の気持ちだ。全部食べ終わる頃には満足してくれるだろうか。もし『まだ足りない』と言われ、もういくつかのトレイ分この作業を続けることになれば、過労で明日は学校を休むことになるだろう。うん、休むしかない。良いサボりの口実を見つけてやや気分が上向きになったところで、ふいに彼女の声が耳に届く。思わず機械的に動かしていた手を止め、何を当たり前のことを、というニュアンスを含んだ口調で答える。 )
……おまえが来たがったからじゃん。
>彩( >126 )
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