主 2021-05-12 12:35:05 |
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( 〝田舎の幼馴染みも良いけれど、ハイスペック彼氏に慣れている身では物足りないから数で補いたい〟。彼女の話す内容を要約し、例えに沿って脳内で再現してみる。見事な悪女の誕生に、これ以上ややこしくしてはいけないと擬人化はここで一旦打ち止めることにする。ノリで始めたことが気付けばここまで膨らんでいたとは。どちらも相手の発言に便乗してしまうため、彼女と話しているといつもこんな調子だ。少ない小遣いを握りしめて駄菓子屋に走っていた昔とは違い、自由に使えるお金の金額も、行動範囲も、純粋に体も大きくなった。擬人化をやめた今となってはひどくシンプルで、単に〝量が足りない〟と言っているのだろう。……仕方ない。超能力者には力を取り戻してもらわなければ困るし、ここは俺のイケメン……もとい、さくらんぼ餅を提供する他ないか。たった今二色の餅を口へと送り届けた彼女の手を捕まえると、その手が持つ爪楊枝で自分のトレイに乗った餅を刺させ、再度彼女の口元へと運ぶ。 )
分かった分かった、俺の分もあげような。……はい、口開けて。
>彩( >105 )
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