* 2021-05-07 22:33:55 |
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…大丈夫、君はしっかりとしているよ。自信を持ってくれ給え。
御名答。僕はホームズのような驚異的な頭脳や優れた洞察力を持ち合わせてはいないから当て外れではあるが、酒のつまみにはなる話題だろう。
紫さんも推理小説が好きかい…!嬉しいね、同じ一読者としてもっと語り合おうではないか。
(同じ趣味を共有できた人は、かつて居ただろうか。こんなにも本の話題に意気投合できるのであれば、もっと前から話しかけるべきであったと思われて、自然と笑顔になり。彼女の焦茶色の瞳をそっと見つめると不思議と見惚れてしまい、ああ、運命の相手に出会った、まるで一目惚れをした感覚に近いかもしれなかった。
それを誤魔化すかの様に会計の準備を始めた。棚の下方から、頂戴する代金を乗せるのに使っている木彫りのトレーと、梱包用品を取り出す。話ができたお礼にと本にの藤の花が刺繍されている栞を挟んだのを、鴇色の紙袋に入れて相手へ渡した拍子に、着物の袖がふわりと揺れ)
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