匿名さん 2021-05-04 11:37:06 |
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…?
(景色を眺めながら考え事に耽っていると、相手は背中を向けたまま低い声で、まるで自分には釣り合わない名前だと自嘲するかのような言葉が聞こえて。なにかまずいことでも、相手の気に食わないことでも言ってしまったのだろうか。それともさすがに歩み寄りが過ぎたのだろうか。先ほどまでの考え事にまたひとつの悩みが加わると頭を抱えて。相手が社の中から戻ってきたと思ったらその両手には酒瓶が。これは相手なりの歩み寄りなのだろうか。遠慮せずに飲めと笑みを向けられれば先ほどまでの悩みが少し軽くなったようで、盃に相手からお酌してもらえれば「ありがとう。」と一つの礼を言ってからぐいっと一口で盃の中の酒を煽り。強い。強いが驚くほど飲みやすい。口のなかにふわりと香りが広がり、舌には甘みが広がっていく。現代のコンビニなどで売られている酒よりもしっかりとアルコールを感じれば「これ、美味しいね。」と、ひとつ呟いては今度はこちらからと相手の分の盃にお酌をして。)
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