ふたりで、おにごっこ

……理仁さんが音痴じゃないことを祈ります。

(子守唄なんてからかっているだろう。彼の言葉に眉を寄せうわ、と唸れば彼に音痴でないことを祈ると言い返す。また彼から挑発じみた言葉を投げかけられれば画面に目を向けて選ばれた海辺のコースを視界に入れる。…問題ない、切り替えるのは大の得意だ。下手に負けた時のことを考えたり彼の挑発に乗っては自分のプレイが出来なくなってしまうだろう。いつも通り自分の思うままキャラクターを動かせば良いのだからと一つ瞬きをして思考を切り替え画面に集中する。見慣れた案内キャラとカウントダウンが始まると０になる前にアクセルボタンを押し彼と同じくスタートダッシュを決める。
最初は好スタートで上位に食い込めた。画面半分に映る彼のキャラクターのことも気にしながらコントローラーを操作しアイテムを取っておいてレースを進め)


(／大丈夫ですよー。(ふふ)そうですね、俺もどちらでもいいですがやはりストーリーを面白く展開するには理仁さんが勝った方が楽しそうですね。途中までは俺が優勢、中盤からは追い越したり追い越されたりなんかして、最後の最後で理仁さんに抜かされてしまう。なんて展開どうですか？(ふむ))