ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>火黒、黒咲
藍緋「あ!…本当だな?ふふッ、ありがとう黒咲?ほら、焔、前向いて?」
(ほ、ほんとだ、黒咲が黙って私の言う事を聞いて撮影に写れるように火黒側に寄っている…。火黒からだと素直になれないものがあるのかな?見ていて何と言うか、父親と子のそういう不器用なところも愛しいな…。先代結界師の良守くんの結婚式に行った時のようにまだ10歳で小さかった焔に言ったような言葉をあの頃のまま同じく隣に居る焔に話してる。ずっとあの頃から笑顔を絶やさず変わらない焔と優しい紺夜、そしてあれから生まれた双子の黒咲と宵はこれだけ背がスラリとし立派な大人になった。今や母親の私が皆の中で一番小さい、行きますよーって掛け声に皆笑顔でパシャリとフラッシュが眩しい、肩を抱き寄せてくれている彼の脇腹に寄り添ったままスッと上を見上げれば火黒の瞳を見て)
藍緋「……火黒、私は今日もとても幸せだ。ありがとう。…ふふッ、私はいつもの妖の火黒が一番好きだけど、今日の火黒も誰より一番カッコいいぞ?」
(クイクイと屈んで貰うように腕を持ったまま二人だけの小声の会話をする、私は本当に…彼に出会えて心から良かったと実感するばかりなんだ。たまにこの幸せが再び失われると思うと怖いときがあったりするけど、…私が死んで200年もの月日も私へ静かに尽きない想いで愛情をくれていた火黒の事だ。私に何かあってもきっとまた待っていてくれるんだろう。だから、もう怖くない。こんなに立派で愛しい子供達にも囲まれて幸せな笑顔を浮かべながら私の中に宿った新たな命も火黒なら必ず守ってくれるから安心する。彼の頬にチュッと親愛のキスを贈る、今更私も照れながら伸ばしていた踵を地に下ろして。
命を繋いでいく事すら想像していなかった太古の妖の私は今、愛する人とその人との子供達にも囲まれて幸せというものを感じている。…こんな幸せは一人じゃ作れない、何千年も生きてきて初めて知った幸せだ。誰かとの絆がこれだけ愛しいと思えるなんてあの頃の私が想像できただろうか…。あの時助けてくれたのが、そして側に居てくれたのが火黒で良かったと心から思う、ぎゅっと腕を持ったまま微笑んで警視監の礼帽を脱いでいる彼を見上げた。本日は快晴、きっと妖にとっても良い夜になるだろう。日本最強妖怪、もとい私の中でも最高に愛しい夫の火黒と太古の妖花の私との妖一家の顔を幸せに見つめた)
~結界師~火黒、藍緋アフターストーリー
大切な絆と繋いでいく新たな絆
【完】
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