ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>火黒、黒咲さん
藍緋「……ッ、か、火黒。……、」
(う、嬉しい…。何でそんなに優しい…いや、心が聖職者レベルのイケメンなんだ…あ、妖だった。私が微妙に落ち込んでる事をちゃんと拾ってしかも自分の弱みを見せつつ火黒本人を落としてからの私を褒める…こ、高等話術だ。すっかり私は火黒の励まし方や考え方にきゅっと心が縮んで惚れてしまう。か、火黒ってモテるだろうなぁ…良い旦那さんだ。あ、わ、私さっき自分が元奥さんだって黒咲さんから聞いたけど…、生まれ変わった私って今は普通に戸籍上他人なんだ?きゅ、急に焦ってきた…こんなに優しい男の人なんてすぐ盗られちゃうよ…。おまけに…死ぬほど強い妖だ。彼に支えられた安心感が出て来て背中の震えが収まったから彼が立ち上がると降り注ぐ月光が火黒の姿を照らす。ふわりとした夜風にスルスルと包帯のように人間の姿が解かれていく光景はとても妖しい、この百鬼夜行の中でも目立つ…、息を飲んで時間が止まった気がした…、あの炎のエンブレムと黒い着物姿、そして全身が包帯で巻かれてる。振り返ったその包帯の隙間から覗いた金色の大きな目と楽しそうに笑う口にドクンッと大きく心臓が跳ねた)
藍緋「あ、……ぁ、……」
(あれは……火黒の本来の姿、そうだ、私はそもそもこの姿で知っているんだ…、ずっと記憶のなかで探してた。どんどん場面が浮かび上がる…あれは私が死んだ後?……良守くんと話して烏森の地の山に植えてくれて……ずっと雨の日も嵐の日も様子を見に来てくれていた妖の火黒の姿。あの黒い着流しの背中だ。私が枯れてないか心配して見に来てくれてたんだ…、芽が出て育って…やがて花を咲かせて、だいたいは火黒が一人の時に花の私に何かを話し掛けてくれてたり、子供達の成長の報告をしに来てくれていたんだな…、私…ちゃんと聞いていたよ。子供達とも一緒に会いに来てくれてた。……涙がぶわりと出てきた、何て事だ……何て長い年月を。私、この人に愛されてたんだ。ずっと見守ってくれていたのに、またこの世に現れた私の事を思って…本当の事を言えずにいて…、愛していた相手の事を思って黙って見守る事は…どれ程ツラい事なんだろう)
藍緋「……火黒ッ、~~…火黒、……ごめんね?……ごめん、…ぅ"ッ、ずっと、……黙って側にいてくれたんだな…。」
(ボロボロと涙が溢れて口元を両手で押さえる壮絶すぎる記憶が私へ一気に流れ込んでごめんねと呟く、彼への愛しさやこれだけ静かに…愛されていた事実…、不器用な愛しい彼。嬉しさや悲しさの感情が混ざり合って震えが止まらない)
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