ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>藍緋、焔
……、
(ふと隣から手を握られると焔の背をリズム良く叩く手を緩めて藍緋へと顔を向け、"きっと幸せだった。"と話す藍緋の声が本人からの言葉のようで錯覚を覚えてしまうのか喉から声が出ず。娘が此方を恨んでいない気持ちにも眉尾を落として聞きながら藍緋へと幸せだったかと聞く焔に少し驚き。恐らく意識が混濁してしまっていたのだろうと静かになった焔の顔を少し覗き、『焔?…寝ちまったか。』と、子供の頃のように疲れて眠ってしまったような長い黒髪の頭を撫で。まるで此方を支えるような藍緋の手の温かみを感じて心が和らぎ。こうしてよくどちらか元気が無かった際、互いに何も言わず支え合っていた記憶が呼び起こされ。自分がどれだけ辛くとも最期まで微笑んでいた藍緋の表情が涙目で微笑む隣の藍緋と重なり。例え記憶が無くともあの頃と同じ姿で微笑む相手に自然と惹かれてしまいながら切なさ混じりに愛しげに見てしまい。ふと藍緋を見つめ過ぎていた視線を外すと焔の頭から手を緩く外しつつデバイスを見て)
あ、と…。旦那さん呼ぶか、仕事帰りに迎えに来て貰うよ。焔は寝落ちるとなかなか起きないし、
(時計を見ると彼の就業上がりにはまだ早いが連絡を入れておくかとぽつりと呟き、何気にこれだけ母親や父親にベッタリな焔が結婚している事を明かして)
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