ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>志々雄
ハチ「…………」
「”使イ手”ガ、ソウ言ウノナラ…」
(前置きから卵にでも触るかのように丁重に手が包まれると、その暖かみにはなんとなく改まったものを感じて、自然と呼吸がひゅっとし、耳がぴくりと揺れて。次いで語られた文言には、時折一つ一つ丁寧に咀嚼しながら注意深く聞き取り。やがてテーブルに視線を落とすと共に長い沈黙を降ろしては思考に沈む。何の話をしているのかというのは、なんとなく予想がついて…いや、記憶が、残った手の感触がじわりと時間をかけて鮮明に自覚させてきた。それからは自分はいいのに、私はその役割を果たしてはいけないのかとか。善悪以前に目の前の使い手を守りたいから”それ”は顔を出すのだ。とか考えてしまった。…しかしながら、彼の話も筋として順当であり、よってセーフティをかけるのが銃としての筋であり。ただ、それ以前に離された右手から伝って残された体温と語り口からは、自分が手を汚すことを望んでいないことが垣間見えて。分からない。私は私の内にいる、一度顔を出せば事が済むまで全て吹き飛ばしてしまう”それ”に、折り合いをつけて飼い慣らすことが出来るだろうか。確信はない。すぐに頷けるほどの確信はなく、また今は無意識に沈むそれと対話することは不可能に近い。しかしながら、相手が私を信じてくれているのなら、それに答える他ないだろう。再び息を吸うと、静かに呟いて)
「……? 志々雄、変ナコト言ウンダナ。マア……フフ」
(一瞬何を言っているんだろうと顔をキョトンとさせながら、ただ言葉を途切れさせては顔を片手で隠し逸らすその様子からは、なんとなく彼が変なことを言ったことだけは読み取ることが出来て。…そういえば彼らはいつ、どこから来るんだろう。とりあえず今は揶揄っておこう。笑いを零しては、片手の先にある瞳を追いかけて)
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