ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
|
通報 |
>ハチ
…そうか。
(急にどうしたのかと、鈴を転がすような声と揶揄うような柔らかい笑顔を視界に入れては昨日の伽藍堂(がらんどう)のような表情がすっかり消えた事へと漸く安心して。小さな拳や肩肘の強張りがほぐれた様子からも相手の気が緩んだようで安堵しながら、当たり前だとの返答へ繋げるよう"そうか"と珍しく少々照れ臭そうに返し。今それを聞いて喜んでいる場合では無いのだが、じわじわと心根が温かくなる気持ちは自制が利かない為か一旦片手で口元を隠し。喉奥で静かに咳を払うよう気持ちを切り替えてからそっと手を降ろすと斜め隣で陽の光を浴びる相手の面差しを目にし、出会った頃から変わらない楽しそうな笑顔に惹かれては嬉しそうにそれを見つめ)
ハチ、…俺もハチが好きだ。…いつも俺の側に居てくれてありがとう。
だから、今から言う事は善し悪し関係無く…なるべく覚えてて欲しい。…今後の事だ。
(自分も同じ気持ちであると返しながら、それを踏まえた上で念頭に置いて欲しい事柄があるのだと前置きし。一旦話を切り出すように近くにある相手の片手にそっと上から手を重ね、小さい拳を壊さないよう優しい圧で握りながら今後純粋な狂気にも染まりかねない金色の瞳を見て)
…俺に何かあっても、そいつらを殺さなくていい。俺は誰も恨んじゃいない。
世間様からすれば俺は悪人だ。今でもいつ殺されるか分からねぇ覚悟で生きてる、…ハチが知らねぇような、人に恨まれる事ばかりしてる。…それ位の気概がねぇと時代は動かせねぇ。
この話で…ハチが"それは違う"だとか嫌だったら無理に聞かなくていい…、ただ俺はハチが今後もこの話を覚えてくれてると信じてる。
感情が先立っちまってどうにもならねぇ時は俺が何とかする。
(仇を取ろうとしてくれた相手の気持ちは嬉しくもあり、ただこの手を汚す事は全く望んでいないと静かに彼女へ告げて。そもそも恨まれて当然なのだとも包み隠さず明かし。従順で素直な彼女の中では恐らく此方の事が中心で、此方に危害が加わった際、彼女が感情に振り回されてどうにもならない時は此方が何とかすると固く約束し。きっと互いの手を汚して欲しくないのは相手も同じなのか、ただ彼女にはどうか自分を見失わずハチ自身を一番に労って欲しいと願うばかりで。人に恨まれる事ばかりしてきたとの件(くだり)には相手が嫌悪するだろうかと包帯の巻かれた右手を小さな手から緩く外して。猫のように大きい金色の瞳からも視線を外しながら「ハチが誰より強いのは知ってる、…その力はまた別の方向に使った方が良いな。…いつか子供が出来りゃまだ弱いうちは子供を守る為に力を使うでも構わねぇだろう…、し。…って、何でもねぇ、悪い…。」と、相手が強いのは誰より知っていると穏やかに笑っていたものの、つい気が緩んでしまったのか子供云々の例え話を上げてしまい。彼女と自分の種族が違うのは勿論頭では理解しているものの、自然と出てしまった例え話へ妙に焦ったのか思わず口元を片手で覆い隠して顔を逸らし、相手へと静かに謝って)
| トピック検索 |