ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>志々雄、張
ミオ「…!」
(銃声を聞いた。耳をつんざくような、それでいて重ねられて執拗な印象の音に、嫌な予感が強烈に刺激された。それと同時にむせ返るような黒煙特有のものと、死体の燃えたものに混じり、鮮血の匂いがわずかに鼻腔を通りはっとして。半ば衝動に駆られその音の方へ走り草むらに隠れて様子を伺うと、動揺を隠せない様子の張と、それを囲うように立つ、どこか気が動転したように見える隊士達が見えた。そして、その中心にはやはり、彼がうつ伏せに倒れていて。遅かったか。やがて1人を残して隊士達が離れていく中、唇を噛んでその一部始終を眺めていた。)
ハチ「……!」
(やがてそれらが居なくなると、残された隊士が入れ物を持っては、何か呟きながら志々雄に近づき始めた。動揺のあまり呂律がやや怪しく上手く聞き取れない。それはそうと、時折ちゃぷりと音が鳴る入れ物から妙な匂いが漂ってくる。周囲に漂うものを貫通するような、嫌な冬の臭い。それが何を意味するか分かり全てが繋がった時、心が命令するよりもずっと早く私の手は動いた。それからは草むらに隠れ黒煙に紛れたまま、中身を志々雄にかけようとした隊士の頭を、別で拝借していた銃で撃ち抜いていて。…これで一旦全て終わった。あとは張がなんとかしてくれるだろう。時代の異物である私ができるのは、ここまで。あとは残りを始末するだけだ。心が明鏡止水の殺意で満たされながら、静かにその場を後にした。)
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