ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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(ヒュッ、と靡くような熱風と一閃の火が両者の間に起こり、男達の動きがぴたりと止まって。ぐらっと浅葱色の羽織達が揺れては膝から順に崩れるよう次々に気絶してその場に男達が倒れ。雪駄の底を擦って止まれば他に追っ手の気配が無い事を確認しつつ切っ先の炎を消すよう刀を一振り払って鞘へ納め。風に砂埃が流されながら黄朽葉(きくちば)の紅葉の下で濃い影の作られた闇から紅い瞳を向けるなり小さく笑みを溢して)
その泣きっ面は見覚えがあるな。
泣き虫張、未来に帰ったんじゃないのか?
(久方の邂逅に少々驚きが混じっているような、何処と無く揶揄って愉しそうな面持ちで久しい顔へと声を掛け。葉の影から一歩前へ出ると竜胆色の羽織と暝色の着物袴の姿で彼等の前に現れ)
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