ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
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>ハチ
…それでサヤか、ハチには忘れられねぇ空になってる訳だな。
(黎明か東雲の時間帯なのだろうか、朝とも夜ともつかないらしい白んだ空を見た記憶からそう名付けたのだと聞き。あの地下から透明な外の空気を吸い込んで見たその壮大な空の情景が鮮明に記憶へ刻まれているらしい相手の声を聞くと少し黙ったまま繋いだ掌の握力を僅かに強め。どちらともつかない時間帯の空に"朝焼け"と称して名を捩ったのはきっと彼女らしい希望の現れなのかもしれない。そう相手に溢しながら此方もまた沈黙を挟みつつ正面を向いてハチ、と名前を呼び。『…もう一人じゃねぇぞ。』と、周囲には分からない相手の母国語でハチに話し掛け。気恥ずかしさから少し眉を弱めて相手に微笑みかけると木漏れ日の隙間から揺れる朝陽の眩しい光の方へと再び顔を向けて、新横浜という地の石畳をふたりで歩いていき)
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