ビギナーさん 2021-04-29 13:28:02 |
|
通報 |
ハチ「見テクレ、志々雄カラ手紙ナノダガ、コレ全テタコ語デ書カレテイルンダ…」
サーベ「え、ほんとだ…。イカの私でさえ言語感覚違いすぎて書けないのに…。」
(暫く志々雄と会えないとなると寂しさが募るのだが、自分の身に起こったことと、志々雄と離したサーベの意図を考えると自分を納得させるのはそう難しいことではないのだった。それと同時に、お酒へのぼんやりとした期待や憧れは綺麗に消えていた。私はコーラの方が好きだ。さて、今は志々雄との唯一の連絡手段である手紙をサーベの自宅で読んでいるところだ。それはそれは実に整った形で書かれたタコ語の字を前に、サーベは紙面上の文字を一つ一つ確かめるかのように見ながら私以上に驚いている。ほぼこじつけであるが1%くらい近縁種でありオクタリアンを相手にしていた彼女からしてもタコ語の理解は難しいというし、私も私でイカ語の習得にはかなり苦戦したので、彼の凄まじさがこの手紙からも垣間見えるのだった。さて、早速返事を書くとしよう。新しい紙をサーベからもらい、シャーペンを立てる)
サーベ「私ヒーローだったのにどうして勉強しなかったんだろう、って今凄い思ってる」
ハチ「今ハ和解ニ向カッテイルノダカラ、全然遅イコトハナイダロウ。デキナクテモ私ガ通訳スルカラ問題ナイシ…」
サーベ「でもさ、なるべく私が言葉で伝えたいって思うんだよ。今まで全く話し合えなかったからさ」
ハチ「…ソウダナ。私モサーベノ為ニ頑張ラナイトナ。」
(紙にシャーペンを滑らせる無機質な音と、何気ない会話の声だけが、くり抜かれたかのように部屋に響く。それはハチとサーベの2人の時間と心理的な距離が、以前より近づきつつあることを示唆しているようでいて。近寄る努力をする一人と、踏み込む努力をする一人。タコ語とオクタリアンとの和解を通してそれが叶わんことを。ちなみに手紙の内容は最近の体調(安定)と、お酒に対する興味はさっぱり無くなってしまったということ。)
| トピック検索 |