花とスカート【 女子高 / 青春 / GL 】

>37　香澄先輩

( 気付いたら眠りに落ちていたらしい。目を覚ますとそこはいつもの教室で、しかし空が暗くなっていることに驚いた。授業で当てられるのがわかっているから、と予習復習に力を入れたのがその理由なのだろう。取り敢えず帰ろう。戸締まりをして職員室へと鍵を届けてから、ぱたぱたと階段を降りる。しんと静まりかえった廊下はどこか物悲しい。普段たくさんの生徒で賑わい、騒がしいせいだろうか。何となくしんみりしながら昇降口へ。靴を履き替えたところで折り畳み傘をばさりと広げる。白いフリル付きのそれは、雨の前では霞んでしまいそうだ。ふと振り返ると、そこにいたのは見知った先輩の姿で。此処で無視するほど薄情ではない。茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべて声を掛けてみて )
せーんぱい。良かったら、一緒に入ります？



>39　紫弦先輩

はいっ。私がいつも行くカフェ、いちごタルトがすっごく美味しいんです。紅茶と一緒だと絶品なんですよ！
( ぱたぱたと駆け寄ると、心の中でガッツポーズ。何もないまま一人でいるより、誰かといた方がずっと楽しいのだから。笑顔でおすすめの場所について語りながら、ゆったりと歩みを進めようか。「紫弦先輩は、珈琲と紅茶ならどっちが好きですか？珈琲が美味しいところは、シフォンケーキが絶品なんです！」人差し指をぴんと立てて、ゆるゆると左右に振ってみせる。どちらも好きな場所であり、どちらに行くとしても楽しそうで。彼女へと選択を委ねてみるのもひとつの手だろう )


──


有り難う御座いますっ。えへへ、嬉しいです。私だけが覚えているのも悲しいし、上手く隠すのは得意じゃないから……幼い頃に仲良くしてた「しいちゃん」とまた会えないかなって、あゆの方も密かに探しているってことにしようかなと思ってます。じゃあ、改めて宜しくお願いしますね、先輩。こっちは返信不要です！

>40　紫弦さん

え？……はい、私にできることならお任せください！
( ゆっくりと歩いていたところで、聞こえてきた声。その声の美しさに顔を上げれば、そこにいたのは、確か演劇部の先輩。文化祭のステージで見た覚えがある程度だが、くるくると変わる表情が印象に残っている。生徒会たるもの、という意識も相まって、内容を聞くより前にこくりと頷く。叶えられないことならまだしも、役に立てるならこれ以上に嬉しいことはないのだ。「それで、どういったご用件でしょうか？」早速ゆるりと首を傾げて問うてみて )

また先輩たちと会えたら良いなって。こっそり上げてみちゃいます。

>鳳
ふぅん？…どちらも好きだし迷うけれど今日は紅茶にしようかな。珈琲はまた次の機会に、ね？
（　元気な彼女に誘発されるのはくすくすと柔らかで自然な笑い。並んで校内歩きながら出された二択にすんなり答えると、更には次の約束までそつなく取り付けてしまう。断られることなど想定していないあたりに自身への自信が見て取れるだろう。そうこうしている間に昇降口へ辿り着いたなら靴へと手早く履き替え、案内をしてくれるらしい彼女を玄関口で待ち　）


￣￣￣￣￣
返事が遅くなってごめんね。思いの外用事が立て込んでいて気が付けばかなりの時間が経っていたみたいだ。きみが寂しくならないように次からはもう少し早く来られるようにするよ。



>蒲倉
心強い返事だね、ありがとう。…早速本題なのだけれど、実は今文芸部としての書き物が滞っていてね。
（　快活で頼り甲斐のある返答に安心して礼を返すと、先ずはどう切り出したものかと思考しながら緩りと口を開く。ほんの偶にの気紛れとはいえ誰かを困らせたいわけではないので無理に我を通すことは避けたくて。ううん、と次の言葉を零す前に小さく唸ればゆらゆら虚空泳いでいた視線を彼女へ戻し、僅かに眉下げ申し訳なさそうに言葉を続けて　）
お願い事というのは詰まるところ、ネタ集めの為に生徒会の活動を見せて欲しい、というものなんだが……。

>44　紫弦先輩

はーいっ。またデートできるなんて、私は幸せ者ですね。
( 自然と繋がった次の予定に喜びを感じ。ふざけたような調子で微笑みながらも、心には彼女の隣を独占できることへの誇らしさにも似た感情が渦巻いて。やがてたどり着いた昇降口で靴を履き替えると、少しばかり急いで彼女の元へ。にんまりと悪戯っぽい笑みを浮かべては、すっと手を差し出してみせようか )
せーんぱい。手、繋ぎませんか？


──


来てくれたんですね、嬉しいです！……でも、私が寂しがりみたいな言い方はやめてくださいっ。あゆは良い子だから、ちゃあんと待てできるんですよ？……待たされたら愛想つかしちゃうかもしれませんけど。なんて、負担は掛けたくないんで先輩のペースで会いに来てくださいね。あゆのことを忘れたらめっ、ですからね？

>44　紫弦さん

そうでしたか。締め切り直前……なのかはわかりかねますが、書けない状態は辛いですよね。
( 話を聞くうちにへにゃりと眉が下がり。スランプ、と言い切ってしまうのは心苦しいけれど、生み出す苦しみというのは一定数存在するもの。視線をふよふよとさ迷わせつつ、誰もいないときにこっそりとであれば問題ないであろう──と生徒会らしからぬ考えをもってこてりと首を傾げ )
ええと、それは……会長に聞かないと会議の様子なんかは厳しいかもしれません。でも、今は私以外のメンバーがまだ来ていなくて。地味な絵で良ければお見せできます、よ？