「 煤王 」( NL )

「 煤王 」( NL )

煤王  2021-03-28 23:32:21 
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人々は彼をこう呼んだ。


100年も昔、城と共に燃えてしまった「煤塗れの王」と。







"よく霧が立ち込める森の奥深く、街の人間さえも近寄らないその場所に、街からも天辺が見えるほどの大きなお城があった。
例え晴れの日でもその城の周辺はいつも薄暗く、その城への道のりは深い霧に満ちており、まるで全ての来客を拒んでいるかのようだ、と。
そうあれは、あの黒い城は、一人ぼっちで我々を恨んでいる城主の心を映したものなのだと、ある老人は言った。
城主が今生きているのか死んでしまったのかも分からない、それを確かめにいく勇気すら、いやそんな権利さえわれらには無いのだと。


遠くから見えたそのお城は、何処か寂しそうで。"





>1 規約、募集
>2 城の事、街の事
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  • No.3 by 煤王  2021-03-29 00:04:35 






~~城主~~


「私はもう、何も見たくは無い。生き物も、植物も、あの忌々しい太陽も。明日が憎い、私を起こす世界が憎いのだ。私は煤王、燃え尽きてしまった過去の遺物だ。」


煤王 / ススオウ

見た目年齢 : 20代後半から30代後半、鬱と疲労により老けて見える



容姿 : 見た目はほぼ人間ながら所々魔獣のような人型魔物の城主。元々は美しい銀色をしていた髪が、長年の放置と濁った魔力の蓄積により濡烏色へ変化。綺麗に整えられていた短髪だったが背中あたりまで緩くウェーブがかかりつつ伸びている。前髪も伸びており顎下まで伸びた髪を右側で分けている。元々白かった肌は更に青白く変化、頬は僅かに痩せこけており瞳の下には濃いクマを作っている。瞳は光の無いワインレッド、獣のように縦に伸びた瞳孔。長い睫毛に縁取られた威圧的な吊り目、吊り眉。通った鼻筋、薄く白い唇。唇からは真っ赤な舌が覗き鋭い牙が見える。両手の爪は長く鋭く伸び切っており爪先は黒色に塗られている。頭から生えている二本の角も髪色と同じように黒に染まっているが元々は白。右腕の肩から指先まで黒くくすんだ銀色の硬い鱗に覆われている。魔法により完全な人間の体に変化する事も可能。身長196cmだが酷い猫背でそれよりも小さく見えがち。服装は黒布服を上下着用し、その上からボロボロに汚れた赤黒いマントを羽織る。

性格 : 本来は明るく穏やか、大らかで優しい王だったが、現在は臆病で内向的、悲観的で出不精な愚王。臆病故に全てに対して否定的であり攻撃的、世界を恨み、それ以上に己を恨み死んだように生きている。生きていく気力もないが自ら命を絶つ気力、も無し、このまま城と共に朽ちて行こうと玉座に座す置物王。自分では気付いていないが本質は変わっておらず、世話焼きで心配性、なんだかんだ言いながらも他者を気に掛ける優しさを残している。見て見ぬふりがどうしても出来ない、自己中になりたかった不器用。変化を嫌い不変を好む。精神的に不安定なためか不慮の事態にとても弱い。大切な物を作る事に対し臆病。


補足 : 人型の魔物、魔法を使用でき完全に人間の姿になる事も可能。以前は使用人、家族とのコミュニケーションのためもあり食事を頼んでいたが、本来は食事をせずとも生きていける体質のため現在は何も口にしていない。魔法で掃除を出来るはずだが、生きていくつもりが無いために昔の惨状のまま放置。
街の人間とは交流していないが風の噂で自身が「煤王」と呼ばれている事を知る。自身の名を捨て煤王と名乗る事に。



( 使用人もおらず手入れもされていない朽ち果てた館、生きる気力もなければ死ぬ気さえ起らぬような城主しかいない、まさに全てが死に時の止まったようなこの空間。全てが終わった"あの時"からまさに時が止まってしまったかのようなこの城にも、どうやら平等に朝というものはやってくるらしい。木々の葉の隙間を縫い、汚れたガラスから差し込む太陽の光に眉を顰め、ゆっくりと瞳を開いて行く。また忌まわしい朝がやってきた。僅かに身じろぎをすると体の節々が嫌に軋み、その痛みに不快感を増しつつどうやら玉座に座ったまま眠ってしまっていたようだと己の現状を他人事のように、ぼんやりとした頭で認識して、目覚めの悪い朝に小さな溜息を。まるで幽霊屋敷の如く朽ち果ててしまった我が城には森の獣、鳥でさえも近寄らない。太陽さえ己を恐れるかのように曇り空と雨雲だけを眺める穏やかな日々だったはずが、どうやら今日は様子が違っている様子。眠りを妨げてきた太陽の光は勿論の事、穏やかに吹く風に靡き擦れる葉の音や、久しく耳にしていなかった小鳥たちの囀り、五感を刺激される感覚がどうにも、どうにも鬱陶しくてたまらないのに、それでもこの体はここから離れる事を拒み続けている。太陽の光があたりほんのりと温かみを感じる左手をチラと見、いつもと違う日常に己の嫌う"変化"をひしひしと感じつつ、ふと。何処か懐かしい、酷く心をざわめかせる香りに小さく鼻をひくつかせる。嫌に心の奥底をかきまわすような不快感、望まぬ高揚を覚えながらも、どうにもこの体は動く事を拒んでいる。ただいつものように、私だけはいつものように。忌々しくも開いてしまった瞳を気怠げに扉の方へと向け )



(/上記ロルテストは娘が来る直前の描写とさせていただきます。普段は煤王の魔法により悪天候な城が、小さな変化により晴天となっておりますが、単なる演出であり募集にあるように少女が魔法使いというわけではないのでご了承ください。
長くなってしまいましたが、お相手してくださる方が現れる事を願って募集開始とさせていただきます。良縁願っております。)




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