安穏たる神殿　／　〆

あまり急くなよ。
（少女の小さな指先に触れられた精霊はびくんと細やかに左右に揺れ動き、自らにつけられた呼び名を受けて上下に跳び跳ねる様はまるで人間が頷くそれのよう。そしてその様子を眺めている狐からも取り立てて呼称については指摘などなく、ただ一言端的に道中の注意喚起を促しては二つの瞼を下ろし、その場に眠るように伏せてしまい。一方、案内役を一任された輝く浮遊物は相手の目の前をくるくると数回廻った後、広く長く続く通路へ向かって僅かばかり飛行すれば一旦停止し少女に移動を催促するようにぴかぴかと眩い光を放ち）


（／そう言って頂けて何よりです、呼び名についてはお好きにどうぞ！それでは、背後はこの辺りで失礼致しますね。また何か疑問点や相談など出てきましたらいつでもお声掛けくださいませ。）