〆＿ これは幻か。それとも運命か。

　
　
うーん、恐らく。僕もひと月前に此処に来てから彷徨ってますが、確認できた生命体は貴女だけですね。だから会えて嬉しいです、とても。（太陽が沈んで、上がる。これを軸に日を数えてひと月くらい自分だけの世界で、生命体の確認ができたのはつい先ほどの出来事のみ。不安そうな彼女から体温や鼓動をバイザーで何とか検知し、自分たちとそっくりの人型であるが恐らくアンドロイドではないと判断。となると彼女の正体は己が守る対象となる人間なのではないかと推測して。きょろきょろと辺りを見渡す様子を心なしか楽しそうに観察しながら己の状況を説明すれば、その状況に似つかわしくない笑顔を浮かべて勝手に自己紹介を行う前置きとして、右手を差し出し握手でも、と）