通りすがりさん 2021-02-15 18:05:16 |
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「夢の牢獄…僕らのいるこの独房はそう呼ばれてるんだ。牢獄だから看守さんもいるよ。あ、ほらあそこ。」少年は答えつつ声を潜め、素早く物陰に隠れながらよろついた足取りで目の前の廊下を巡回する看守服の何かを指差す。彼の指差したモノは巨大な鉈をずるずると床に引きずりながら目の部分に穴が空いた紙袋を被って看守服を纏い、看守帽を頭にちょこんと乗せた不気味な存在であった。隠れながらも彼の抱えるラジオは相変わらずくぐもった音声で意味不明な文章を羅列している。
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