台本人間 2021-01-26 00:54:39 |
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「…えと…ご、ご主人様。きょ、今日から貴方の召使となったものです…どうぞ、よろしくお願いいたします…」
『あ?…あー、上からのか…よろしくな。そんなに固くなるなよ、気楽に話しかけてくれ』
『よう、ここでの生活にゃ慣れたか?』
「ご主人様…はい。皆様方が優しいので、なんとか」
『名前で良いって言ってるだろ?失礼だとか思ってるのかもしれねぇが、俺は上の奴らとはちげぇよ。むしろ名前で読んでくれた方がありがてぇ』
「……え、と……○○、様?」
『おー、やればできるじゃねぇか』
「○○様!あちら、珍しい花が咲いていますよ!」
『おー、確かにこの辺りじゃ見かけねぇ花だなぁ…摘んで帰るか?お前好きだろ、あーいうの』
「いいんですか!?やったぁ…!ありがとうございます、○○様!」
『………夢か』
「おはようございます。どうかなさいましたか?御主人様」
『なぁに、昔の夢だよ。…なぁ、笑ってみてくれねぇか?』
「? 召使に感情は不要でしょう。何を仰っているので?」
『…そう、だよなぁ。もう、違うもんなぁ』
元は感情豊かだったが他の貴族の「調教」によって無表情無感情な任務遂行マシーンになった少女メイドと、他の貴族からは変わり者と距離を置かれる優しい貴族の男のとある休日の朝。
すぺかんです。
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