台本人間 2021-01-26 00:54:39 |
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初めまして………。
たった一言から、僕の運命は変わってしまった。
「人の子なんて久しく見ておらぬが、ふむ…迷子か?」
人の子を見下ろし、銀の髪の獣は言う。
『は、初めまして!僕、じいちゃん家に来ていて…ちょっと散歩のつもりだったんですが…』
「プッ…これは面白い。人の身でありながら、この神の棲む山に散歩に入ったとな?これは滑稽だ、帰ったら子らに話して聞かせてやろう」
「神の棲む山?えっと…すみませんでした!僕、今日初めてじいちゃんの家に来て…何も知らなくて。あの、道教えて下さい。すぐ下りますから!」
『道か…。と言っても神域まで入ってしまった人の子を帰して良いものか…はて…』
「本当にごめんなさい!帰らないと…じいちゃんが心配するんだ…」
『うむ。ならばこうしよう…明日、昼間に我に油揚げを持って来るのだ。人里に下りなくなって久しい…我の大好物ぞ。良いな?必ず、明日の昼に持って来るのだぞ…』
少年が頷いた後、眩い光に包まれたと思えば、其処は山道の入り口であった。
(人に忘れ去られたお稲荷様と素直で前向きな少年〈10歳以上、19歳未満〉)
/再び投下失礼致します!そして、再びスペース大・大・大感謝です!!
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