台本人間 2021-01-26 00:54:39 |
通報 |
「嗚呼、なんだ…また来たのか、懲りないね」
『だって……誰も遊んでくれないんだもの』
「──違うだろう。“息苦しい”んだろう」
『毎日、毎日お作法のお勉強。難しいの』
「俺と居ると怒られてしまうよ。早く戻りなさい」
まだ小さな幼子は社の奥で息詰まる。
森に住む鬼は気怠げで。
『ねぇ、あなたみたいな妖怪はみんな悪い奴らなの?どうして人の姿で居るの?人間を嫌っているんじゃないの?』
「質問ばかりだな。……、あまり知恵をつけすぎない方が良い。飲み込む前に詰まってしまう」
『夢をみたの。そこにあなたが居た。周りはなんか……うーん、真っ赤だった』
「──そうか。お前の夢はよくあたるらしいな」
『うんっ!私、凄いのよ!夢の事を伝えると褒められるの!』
「なら、その夢の続きを教えてくれないか?」
『えへへっ、しょうがないなぁ!真っ赤でね────』
『 死んでしまうの 』
( / 楽しいスペースをありがとう )
トピック検索 |