xX 加護を受けし者。 Xx/人数制限有/3L

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語り部さん  2020-12-17 23:27:56 
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それは、本当に正義ですか。





>>1 世界観

>>2 マナー

>>3 募集


帳の合間はお静かに。


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  • No.65 by 十一月  2020-12-21 20:13:15 

(/少々出遅れてしまいましたが全体文を投下させていただきます。絡んでいただけたら嬉しいです)

>>all

――ふあああああん!

散歩していると子供の泣きわめく声が聞こえる。どうやら公園かららしい。
進路を変更し公園に踏み込むと、そこには片足を押さえて目に涙を浮かべる男の子がいた。年長さんか小学一年生くらいだろうか。少し離れた所にはサッカーボールも転がっている。
どうやらボールに夢中になるあまり転倒し、膝をすりむいてしまったらしい。

「ごめんね、ちょっと沁みるかも。でももう大丈夫だから」

すぐさま歩み寄り傍らにしゃがみ込むと、傷口を濡らしたハンカチで優しく拭き、ポーチから絆創膏を取り出して貼り付ける。
ついでにハンカチの濡れていない綺麗な部分で涙も拭き取ってやると、男の子は頬を赤らめながら呟いた。

――あ、ありがとう。お姉ちゃん

立ち上がって半ズボンの砂埃をはたき落とす姿からは少年特有のエネルギッシュなものを感じるが、まだボールを見つめる目には戸惑いや恐怖があった。
大丈夫、と優しく微笑みながらボールを拾い上げ、そっと手渡す。

「今は出来なくてもいいの。練習すれば、きっといつか上手くなれるから」

少年はすっかり勇気づけられたらしく、その瞳には活力が漲っている。これは彼女のお家芸だ。母や姉の如く寄り添う神楽によって心を開かれ、周囲の者達と打ち解けた隊員も存在する。
じゃあお姉ちゃんもやろう、と声をかけられ応じようとしたその時――忌まわしい記憶が蘇った。
姉はこれくらいの歳で既にスポーツが万能だったそうだ。何をやらせても平均以上の結果を出し、皆を引っ張るキャプテンの才能もあった、それに比べて自分は――

「ごめんなさい。気分がよくないの」

少しトーンの落ちた声で断ると、心配そうな少年を尻目にベンチへふらふらと歩いていき、腰掛けて空を眺める。いつか自分は"姉になれる"のだろうか。答えの出ない問いが寒空に吸い込まれた。

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