人形の夢【戦闘／一部人数制限有／途中参加歓迎】

>>13
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｱﾘｽ　
「ええ、大切な仲間ですから。僕ら人形の気持ちを理解できるのは、同じ境遇を経験した者だけです」

自分を褒めてくれる2人の言葉を受け、普段よりも幾ばくか表情を緩めて答える。
この言葉に嘘偽りはない。ロストアリアに閉じ込められ、いざとなればロスナの剣となり盾となり戦わなければならない自分達の心情など、部外者に察せられるはずもないのだ。
そんな辛い境遇や心情を理解し分かち合える仲間は、まさしく掛け替えのない生涯の友。偽りの自分で外面を固めるリヴォルと言えど、その気持ちだけは本物であった。

「色々と楽しみだね。悪戯の内容もだけど……一体誰が実験台に選ばれるんだろうね」

はしゃぐセリアの横顔を見て、ほんの一瞬だけ複雑そうな表情を浮かべるリヴォル。しかし次の瞬間には目を細めて微笑を湛える、いつも通りの彼に戻っていた。
この無邪気な笑顔を守らなければならない。と同時に、誰のものにもさせたくない。そんな奇妙な感情が湧き出るのを感じ、困ったように空を見上げる。

「さて、これからどうしますか？巡回という名の歩行訓練は飽きが来ていけません」

自身も土産物を食べ終え紙袋を片付けると、手を拭いて2人の方へ向き直る。
既に自分の持ち場の巡回は終えているが、2人がまだ続けるというのなら、帰って鍛錬でもしよう。そんなことを考えながら足を進めた。

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